南紀ローカル通信

スキューバダイビングやキャンプ、映画や本などについて綴っています

海中を飛ぶ鳥

こんにちは、「南紀ローカル通信」の枯木屋ユージンです

 

オオモンハタ

鳥が自分に向かって飛んで来た

キューバダイビングをしている時に、自分に向かって鳥が飛んできた経験のある人は、おられるでしょうか?

テレビのネイチャードキュメンタリーのような凄い状況は別にしてですが。

 

私は、一度だけ遭遇した事があります。

想定外だったので、それはもう驚きました。

普通に生き物を見て驚いた感じではなく、ゾンビに出くわしたような驚きです。

ゾンビに出会った事はありません。

 

ショップに戻ってインストラクターに話すと「俺でも見たことないのに」と、言っていました。

 

199〇年 12月

白浜でよく利用するポイントに潜っていた時のこと。

もう冬になって来たからなのか、キンメモドキやハナミノカサゴといった常連の魚たちは少なくなっていましたが、イサキが幾つかの群れに分かれて泳いでいます。

しかし絵になるような塊には、なかなかなってくれません。

 

しばらく観ていると、急に群れがあっちこっちへと高速で泳ぎだしました。これは尋常ではない。

さらにスピードは増し、群れと群れが合流を繰り返して、複数だった群れは一つにまとまり、その密度も異常なまでに圧縮されました。

その間5〜6秒くらいでしょうか。

 

私の視界はイサキで埋め尽くされたのです。

 

着底したときにコブダイのシルエットも見ていたし、オオモンハタも見かけていました。

「これは何かイサキを狙う魚がやってくる」、そう思って心の準備をしカメラを構えた瞬間、イサキの群れが真っ二つに分かれました。

そこから飛び出すように現れたのは魚ではなく、鳥。

 

 

私は、あまりの驚きにシャッターを切ることが出来ませんでした。

 

海岸の岩場なんかで時折見ることのある、あのウミウです。

黒っぽい色で鳴き声も奇妙で、なにかしら可愛くない奴ら。

 

水中で見たウミウはもっと可愛くありません。眼は不自然に大きく見開きどんよりしています。

ミウはイサキを捕らえることは出来ず、45度の角度で海面へ向かって飛び去っていきましたが、私は「怖ぁ~!」と一人呟いていたのです。

 

気分が少し落ち着いてくると、イサキの群れも落ち着きを取り戻したのか、さっきと同じように動きが穏やかになっています。

 

 

その後、どこからともなくハナミノカサゴが現れてイサキの群れの中をふわふわと泳いでいました。騒ぎが収まったことが分かっているのでしょう。

この時はどうにか、シャッターを切ることが出来ました。(上の写真)

 

自分はまだまだ「修行が足りないのだなぁ」と感じた、思い出深い一本です。

 

ではまた、次の記事でお会いしましょう

 

2022年8月24日 記

 

nanki-local.hatenablog.com

 

nanki-local.hatenablog.com